スゴ絵本見つけました

- 作者: 渡辺茂男,大友康夫
- 出版社/メーカー: あかね書房
- 発売日: 1980/03/15
- メディア: 単行本
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その後、餓鬼の食いつきがいいものは購入する、という策で行っている。
この「くまたくん」シリーズは、「ぼくしんかんせんにのったんだ」に続き、「ぼくパトカーにのったんだ」も四歳男児にすこぶる好評であり、返却後の「どこにいったの?」という声を受け、購入を決める。
で、この「ぼくまいごになったんだ」なのだが。
内容は、まあタイトルから想像つく通り。
- ママと買い物にでかけたくまたくん。
- 「ここで待っててね」と言い残されたまま、おもちゃ売り場に置き去りにされる。
- 置き去りにされたことに、餓鬼なりにすぐに気づき、号泣するうちに迷子センターに保護される。
- 迷子のお呼び出しにも、服選びに夢中のママは気づかない。
- しかしまあ、とりあえず気づいてめでたしめでたし。
いや、想像つかんか。
このママの非常識っぷりもなかなかにすごいが(ちなみに「ぼくパトカーにのったんだ」でも、この馬鹿親がほとんど同パターンの過ちをおかしたがゆえに、くまたくんはパトカーのご厄介になる。何も学習していないもよう)、もうひとつのおまけがすごいのである。
家人は一読みして気づいたが、ところどころに妙なキャラが点在している。
おもちゃ売り場に、妙なグラサンをかけた挙動不審のモグラ。
離れた位置から、モグラを睨み続けるブルドッグのおっさん。
そして、ラストは、ママ・ママに手をひかれるくまたくん・怪しげな包みを抱えたまま舌を出しているモグラ・ブルドッグ、の4人、というカット。
こ、これは。
モグラの万引きに気づくまでにそう時間はかからない。
さらにページをさかのぼると、迷子センターに衝撃的な張り紙。
「この顔見たらご用心 おもちゃどろぼう」とモグラの似顔絵。
……指名手配中のおもちゃどろぼうだったか。
もっとさかのぼると、1ページ目の電車から、私服警官らしきブルドッグはおもちゃどろぼうの尾行を続けている。
細かすぎます。
しかし、方々のオンライン書店の書評を読むかぎり、意外とこのキャラに気づいている人は少ないようだ。
おいおい、なんで気づかんよ。
いや、俺も気づかんかったけど。
絵本にもこんな小細工を弄されていることがあるのだ、といたく思った次第。