シフのゴールドベルク

シフとのなれ初めは、クライスレリアーナや暁の歌が入った盤だった。
聴くディスク聴くディスクがひたすら新鮮だったあの頃は……だったからかどうかはともかく、この叙情性にいたく感動させられた。
が、彼を枚数聴けば聴くほど、芸風は好きなのだが何かもうひとつ食い足りないという思いを禁じ得ない。
バッハのピアノ協奏曲全集、シューベルトの21番、あとは何があったか、そしてこのゴールドベルクもそうだ。
どうにもノンレガートが鼻につく。最後のアリアも、もう少し安らかに終わってくれよ、と毒づいてしまう。
ゴールドベルクは、ピーター・ゼルキンの一枚がよかった。今手元にないんだけど。