流行に関わりを持たず、アバドのブラームス1番

ブラームス:交響曲第1番

ブラームス:交響曲第1番

ブラ1・アバドBPOと、組み合わせは面白くもなんともないながら、演奏はなんともある。
何もかもがアバド色。この色は、僕は好きだ。

日本中にクラシックファンが何人いるかはわかりませんが、こらえ性のなさ(= 全曲通じて集中して聴けない)において、僕はその中で上位に食い込める自信がある。どんな自信や。

なので、この曲の演奏にも、終楽章の美しさよりも、1楽章の苛烈さを求める。
そういう僕が、この曲の終楽章の歌に震えたのは、ひさしぶりのことだ。
「ああベルリンフィルが燃えている」。そう漏らそうとして、ためらう。ベルリンフィルなどと、アバドなどと、ただ彼らの名前だけでこの演奏を片づけてはいけない。

だから、フルトヴェングラーとの比較を云々する意味はよくわからない。これは、ただの、素晴らしい音楽だ。ただの、いい、ブラームスの1番だ。それだけでいいじゃないですか。