息子のまなざし

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凄い。凄すぎる。凄すぎた。
何が凄いって、もう、何という頑迷さ加減なのか、という凄さ。
正直、フランシスは実は……は、まず素直に知っておかなければ、見続けていくのはなかなかつらいでしょう。
異様過ぎる、この視界の狭さ。慣れるまでは本当にもう。それこそが、あまりにもどでかいロール(role、です)をある日突然に引き剥がされてもなお、元通りの仕事人として生きていくことを選んだ、彼の世界なんでしょう。
BGMなんてあるわけありません。要りませんよ確かに。それこそが以下同文。
字にしてしまえば、何とも、あまりにも安っぽい設定がこれほどの重みをもってのしかかってくる。
オリヴィエが今に到るまでのこと細かな経緯は、結局語られることはない。どうでもいいのだ。これは、感情移入、などという安っぽい遊びを楽しむ一本ではないんだから。
で、これもまた頑迷なまでに職人訓練校のディティールが、これでもかと書き込まれ、それに退屈しながら、観るひとの誰もが「その時」を待ち続ける。に違いない。ああ、「その時」は別に来なくてもいいのかも知れないな、と、僕は思ったけども。
そして終劇。最後までこれだ。
いや本当に凄すぎます。絶対にお勧め……できませんね。でも観ましょう。観るべきだと思います。できれば体調を整えて。
で、引用のためにレビューサイトを探して、宣伝文句に触れていくと、また現実に引き戻されてちょっと辛いですね。
これ受け入れたのかよ? 愛が生まれたのかよ? 感動かよ?
で、フランシスの正体って、ネタバレなんですかねえ。全然ネタバレじゃないと思うけど、念のためネタバレバージョンを隔離しておきます。