OCTOBER DAY(遠い空の向こうに)

原題は、ROCKET BOYSのアナグラムというのがうますぎる。って、あれ? 足りない文字がちらほらと。
実話を下敷きにとうたう割りにはお約束な展開の連続で終劇を迎えるわけで、現代社会が失ってしまった何かに気づかされて涙するという正しい鑑賞はとりあえず僕には無理でした。
「お前には手を焼き、腹を立てもしたが(一部うろ覚え)、お前を恥じたのは初めてだ」
という台詞単独(意味を逆にしてもかなり使える台詞になりますよね)。
「博士は確かに偉大な科学者だ。でも僕の英雄では……」
で、皆まで云わせないという台詞回し。
と、随所はちゃんと新鮮ではありました。
しかしスプートニクに魅せられましたっぷりはどうにもちゃんと伝わってこなかったところで致命的に感情移入をし損なったというのが、今ひとつのめりこみきれなかった一番の理由かと思う。
むろん、すべての責任が作り手側にあるとは思われないわけで、もう少し歳をとってから見返すのが正解かも知れない。
こうやって歳を取る愉しみをちょっとずつ見つけながら歳を取っていくことにしましょうよ皆さん。
何だか哀少女ポリアンナの「よかった探し」みたいですけど。うすら寒いですねはい。